学校ごとに、工夫をこらした給食を提供! 自校調理方式でつくる、佐倉市にしかない給食更新日:2018年12月19日

小中学校9年間で1600食以上も食べる給食だからこそ、作りたてのあたたかい食事を児童に提供したい。佐倉市立南志津小学校の学校栄養職員、石橋先生が佐倉市の特色ある給食の取り組みについて思いを語ってくれました!

佐倉市立南志津小学校 学校栄養職員 石橋裕子先生

 

Q佐倉市が取り組む「自校式給食」とは?

佐倉市では、すべての小中学校に給食の調理施設を設け、各校に配置された栄養教諭または学校栄養職員が献立を作成する「自校調理方式」の給食を提供しています。校内にある給食室で調理をするため、毎日作りたてのあたたかい食事を提供することができます。

給食の食材は地場産物にこだわり、千葉県産や佐倉市産など地元でとれたての農産物を積極的に取り入れています。給食で使用するお米はすべて佐倉市産のコシヒカリで、ご飯も給食室で炊いています。

地元の農産物は、毎月、農業協同組合(農協)の担当者から、給食用に供給が可能な食材のリストが送られてくるので、その計画をもとに各学校で毎月の献立を作成し、注文します。また、農協以外にも、地元の農家さんと学校で直接やりとりをして食材を提供していただくこともあります。農家さんからは、「来月はコマツナがこれくらい採れます」といった情報をいただきながら進めていきます。野菜以外の食材も、地元の商店街の豆腐屋さん、お肉屋さんなどに注文しています。

児童には、地域の産物を食べることで、自分たちの住む佐倉市のことをもっと知ってもらいたいと考えています。また、地元で農産物の生産に携わる方々の努力や苦労を知り、感謝の心をはぐくむ機会としてほしいと思います。

 

Q 自校式給食のよさはどんなところ?

一番は、作りたてのあたたかい食事を提供できることです。南志津小学校では正門を入ってすぐの場所に給食室があり、児童が登校する時間にはすでに作業が始まっていることがわかります。午前中の教室には、調理中の給食のおいしいにおいが漂ってくることも。児童は自分たちの給食を作ってくれる調理員さんを身近に感じることができ、給食の受け渡しや、後片付けの際には、「ごちそうさま」とか「今日もおいしかった」という言葉が、自然と出てきます。

また、自校式給食では学校ごとに献立を作成するので、学校行事に合わせた献立を作ることもできます。例えば、運動会の予行練習の日は「運動会応援メニュー」と題して、児童に人気のメニューを組んでみたり、歯科検診がある日には「歯にいい食材」を使った給食を作って、歯の健康を食事の面からも意識できるようにしたりしています。以前、JICA(国際協力機構)の研修でベトナムに行った教員が、特別授業としてベトナムの農業についての授業を行いました。その際には、給食でもベトナム料理を提供しました。「食事がいろんな学びとつながっている」という機会を提供できるのは、自校調理方式ならではだと思います。

 

Q 南志津小学校独自の取り組みはありますか?

授業の中で「食の体験学習」を行っています。例えば1年生なら、そら豆の皮むきを体験します。皮むきのあとは野菜の栄養の話を聞いたり、1日に必要な野菜の量を模型で確認したりします。もちろん、その日の給食には、児童が皮をむいたそら豆が登場し、全校のみんなでいただきます。

また、図書館司書と連携して「おいしい読書」という取り組みも行っています。これは、本の中に出てくるメニューを再現し、実際の給食に出すというものです。2018年秋には「魔女の宅急便」の4巻に出てくる「砂漠のお菓子」を再現しました。その日の給食の時間には、図書館司書と一緒に放送で本の紹介をします。読書が好きになるきっかけになってくれるといいなと思い、定期的に実施しています。

さらに、自校で献立を決められるからこそ、児童からのリクエストも給食に取り入れています。リクエストの方法は、年に2回の「ラッキーにんじん」です。これは、コロッケなどの中に星の形をしたにんじんを入れておき、そのにんじんが中から出てきた人は、おかずとデザートのリクエストができるというものです。にんじんが苦手な児童も一生懸命にんじんを探そうとしますし、誰が当たったのかと盛り上がって、給食の時間がより楽しい時間になります。

 

Q 南志津小学校が農家さんと行っている取り組みはありますか?

数年前から、佐倉市の新規就農者の丹上(たんじょう)さんと提携し、月に2回食材を提供していただいています。当初は献立メニューに「丹上さんの里芋の煮もの」などと名前を入れ、児童に、“地元の農家さんが作った野菜”と実感してもらうよう工夫していました。今では、児童の方から「今日の給食は、丹上さんの里芋?」と聞かれるくらい、身近な存在に。丹上さんには、農業という仕事に関する授業にも参加していただき、話をしてもらうなど、給食以外での関わりも大切にしています。

野菜を納品する丹上さん

 

Q 栄養士としてやりがいを感じる瞬間は?

学校が好きな児童も、もしかしたらちょっとつらいことがある児童も、給食の時間はみんなが楽しい時間であってほしいと思っています。私は毎日、給食の時間に教室を見て回っていますが、給食に込めたちょっとした工夫で、教室から笑い声がたくさん聞こえてくるとすごくうれしいですね。今度はどんなメニューにしようと考えるのが楽しくなります。

 

地元のものを地元で食べる「地産地消」をテーマにした、「千産千消デー」の献立(佐倉市産コシヒカリのご飯、揚げ里芋の肉みそかけ、大和芋団子の落とし汁、麦芽ゼリー、牛乳)。千葉でとれた食材を千葉で食べるという意味が込められている。
ご飯やおかずは、見た目も美しい磁器食器に盛り付ける。磁器の食器は落としたり強くぶつけたりすると割れてしまうため、給食を通してものを大切に扱う心も学ぶことができる。

丹上さんが経営する「結び合い農園」
http://musubiaifarm.wixsite.com/musubiaifarm

佐倉市の給食は動画でもご覧いただけます。
Youtube佐倉市公式チャンネル「さくら動画配信」
『佐倉市自慢の学校給食』(2018年7月公開)
https://www.youtube.com/watch?v=sLKOi8bYsn0