佐倉をまちづくりのフィールドに!千葉大・松浦研究室の提案から見る、佐倉のまちの可能性更新日:2020年11月06日

いまある地域資源をまちづくりに活用する提案として、千葉大学松浦研究室の松浦健治郎准教授と学生たちが、佐倉を、みて、歩いて、調べたことを、屋外公共空間を活用したイベント「mochiyoru(モチヨル)」(※)で発表しました。外からの視点で、佐倉に眠るまちの魅力と可能性を探ります。

(※)京成佐倉駅前の一方通行道路の使用許可を取り、キッチンカーや周囲のお店でテイクアウトしたものを飲食したり、くつろいだり、地域の人とコミュニケーションしたり、気軽に立ち寄れる路上空間を作り出す取り組み。
モチヨルについて、詳しくはこちらの記事をご覧ください。
http://sakulike.city.sakura.lg.jp/visit/1165/

佐倉はまちとしておもしろい!

千葉大学で建築学を教える松浦先生に、佐倉とまちづくりについてお話を伺いました。

―先生はどのような研究をされていますか?

建築的視点から都市計画やまちづくりに関する研究や実践に取り組んでいます。地方都市における地域資源を活用したまちづくりも主要な研究テーマです。
佐倉市では、都市マスタープラン策定懇話会や都市計画審議会の委員を務めさせていただいています。

千葉大学でまちづくりを研究する松浦先生

―先生は、2019年にも佐倉市立美術館で佐倉のまちづくりの研究発表をされています。なぜこのまちをフィールドに選んだのですか?

私は、学生時代からずっと城下町を研究していて、城下町の空間資源を活用したまちづくりが生涯のテーマでもあります。
千葉大学に赴任してからは、県内の城下町をいろいろ見て回りました。そのなかでも、佐倉は、馬の背状の地形をもつ特徴的な城下町だと思います。こうした城下町の資源を活かすことで、おもしろいまちづくりができるのではないかという感触があり、学生の設計課題に出したのがきっかけです。
学生を佐倉に連れてくると、地形の起伏が大きく、思っていたよりも「高い」位置にある特徴的な地形にまず驚きますね。

―佐倉のまちがもつ可能性について、どのように思いますか?

佐倉の中心市街地では、城下町の資源が手つかずで残されており、それらの資源を活用したまちづくりが展開されれば、魅力的なまちなかが創出されると思います。また、まちづくりに熱心な方々も多くいらっしゃいますので、そうした方々と市役所、大学、専門家などが連携していければ、良い方向に進んでいくのではないでしょうか?

―今回、モチヨルで発表することになったきっかけを教えてください。

私たちの提案に近いことをモチヨルでやっていて、誘われたのがきっかけです。モチヨルでは、道路空間=公共空間を広場化するという実験的な取り組みをおこなっています。
私たちも、道路空間を、車の空間から人の空間に変えていくことで、歩いて暮らせるまち、歩いて楽しいまちができるのではないかと考えており、そのあたりの考え方がモチヨルの活動とつながっています。

―今後、佐倉とどのように関わっていきたいと思いますか。

現在、佐倉をはじめ、全国的に人口が減少し、空き地や空き家が増加しています。そうした課題を解決するために、空き地や空き家をオープンスペースとしてうまく使うことができないか。そのためには、道路などの公共空間と建物の利活用を、行政と民間が連携して行うことが必要です。まちなかを豊かにするためにも、まちづくりについて、市民や行政と意見交換をしながら、提案だけでなく実践をしていきたい。その際には、学生も加えつつ、専門家の立場として関われたらと思います。

外からの視点で見る佐倉とは?

松浦研究室の学生にまちづくりについてインタビュー!

松浦研究室の学生。向かって左から、戸村さん、刘(リュウ)さん、相馬さん

―まちづくりを学ぶきっかけを教えてください。

(相馬)もともとは、ものづくりに興味があって建築を専攻したのですが、地域の人と一体となった計画に携わりたくて、まちづくりに興味をもちました。
(リュウ)私は、母国中国とは違う、市民からの視点を大事にしたまちづくりに関心があり、松浦先生の研究室に入りました。
(戸村)相馬君と同じくもともとは、建築計画や設計を勉強していましたが、地域とのつながりの大事さを感じて、まちづくりをやってみたいと思うようになったのがきっかけです。

―佐倉のまちについてどう感じますか?

(相馬)インターネットのマップではよく見ていたのですが、はじめて訪れたときは、起伏が多いまちだなと感じました。チューリップで有名な佐倉ふるさと広場は好きな場所のひとつです(笑)
(リュウ)私は、来てみて、まちがもつ豊かさを感じました。
(戸村)ちょっと道を外れれば緑も多いところだなと思います。自分の故郷も地方で自然がありますが、また違った印象を感じます。

―モチヨルの取り組みについてどう感じますか。

(相馬)「まちづくり」というと行政が進めていくイメージがあるけれど、民間から始めているという点で素晴らしいですね。とくに、道路を使用しているところに可能性を感じます。
(リュウ)私も相馬君と同じ考えで、近くの飲食店に声をかけたり、地域を巻き込めているイベントだと思います。
(戸村)それと、道路という公共空間を活用してにぎわいが生まれる場所を、民間と行政が協力してつくる姿勢が意欲的です。佐倉だけではなくほかの地域でもやったらいいかも。

―将来、まちづくりに関わっていきたいと思いますか。

(相馬)そうですね。僕は、地方都市のまちづくり計画に携わりたいと考えているので、地元に戻って働きたいという気持ちがあります。
(リュウ)私は、中国に戻って、日本で学んだまちづくりを活かしたいと思っています。
(戸村)いろいろな地域でまちづくりに関わっていきたいと思います。そのなかで、自分の地元でも活動できたらいいですね。

屋外公共空間にて、まちづくりへの提案をする学生たち

【モチヨルでの学生の発表内容】

学生たちが、実際に佐倉の中心市街地(近世城下町を基盤とする地区)を歩いて、見つけたさまざまな資源を活用して、中心市街地のストリートライフを豊かにするための提案を行いました。
外からの視点で見る佐倉のまちづくりへの若い大胆な発想は、新鮮な風を吹き込んでくれます。

●提案1 市の建物をシェアスペースへ
市の所有する国登録有形文化財の建物を、共有スペース、レンタルスペース、宿泊スペース、バースペースに。庭をオープンガーデンとし、道と庭を一体的に活用する。

●提案2 斜面緑地を活用したフットパス整備
斜面緑地沿いの散策路を整備することで、回遊性の高いまちに。

●提案3 寺社をまちにひらく
成田街道沿いに集中する寺社を、教育、体験、食、交流をテーマとした「寺社ツーリズム」として展開。

●提案4 道路を車から人に取り戻す
道路空間にキッチンカー、ベンチ、テーブル、椅子などを配置。沿道の店舗の協力を得ながら、イベントを開催。

●提案5 駅前広場を人が集う広場へ
京成佐倉駅前のタクシープールを一時的なイベント空間として活用。

■ほかにもさまざまな提案をいただきました。当日の発表の様子はこちら(youtube動画)

■松浦研究室ホームページ
https://kenjiroma.wixsite.com/mysite

 

 

 

 

 

 

 

■mochiyoru(モチヨル)の過去記事はこちら
http://sakulike.city.sakura.lg.jp/visit/1165/