しいたけ狩りしてその場でBBQ! 「佐倉きのこ園」で絶品しいたけを堪能しよう更新日:2019年01月31日

しいたけが好きな人も苦手な人も、一度食べれば目からウロコ…! そんな体験ができるのが、佐倉市太田にある「佐倉きのこ園」。無農薬栽培のしいたけを自分の手で収穫し、併設されたバーベキュー場ですぐに味わうことができるレジャースポットです。

「佐倉きのこ園」におじゃましてきました!

「佐倉きのこ園」代表の齋藤勇人さん(左)と、息子の大地さん(右)。

JR佐倉駅からバス・タクシーで10分、佐倉ICからは車で5分という便利な場所にある「佐倉きのこ園」。今から25年前、代表の齋藤勇人さんが30歳のときに脱サラして始めた農園です。ハウスでしいたけ狩りをして持ち帰るもよし、器材や食材が揃ったバーベキューガーデンで炭火焼にして食べるもよし。子どもから大人までみんなで「食」を楽しめるスポットです。

実は齋藤さん、もともとしいたけが大の苦手。ある農園で出会ったしいたけの美味しさに感動し、しいたけ栽培の道に進むことを決意したそうです。そのお話は後ほど紹介するとして、まずはハウスの中をご案内!

森林のように優しい光が射すハウスの中には、ブロックのようなものがずらり。これはブナやナラのおがくずに米糠を混ぜて固め、しいたけの菌を打ち込んだ「菌床(きんしょう)」と呼ばれるもの。ここから30〜50本のしいたけが生えます。

しいたけ栽培には原木栽培と菌床栽培があり、日本では約8割が菌床栽培と言われています。「佐倉きのこ園」には3万個近くの菌床があり、年間50トンものしいたけを栽培しているそう。どのしいたけもカサや軸がしっかりしていて立派!

しいたけ狩りは入園無料。好きなだけ収穫し、採った分の料金を払う嬉しいシステムです。基本的にどれも大きめサイズですが、焼くなら肉厚でジューシーな大ぶりのもの、煮るなら身が締まっている少し小ぶりのものがおすすめなのだとか。齋藤さんにレクチャーを受けながらさっそく収穫してみました。

しいたけの頭を持ち、刃先がカーブしたハサミで根元からカット。軸を残して切るとそこから腐って菌床がだめになってしまうため、必ず根元ギリギリから切ります。思った以上に簡単に切れるので、小さなお子さんでも安心。ふわっとした触り心地がなんだかやみつきに!

しいたけ嫌いの代表が惚れ込んだ、極上のしいたけ

「佐倉きのこ園」のしいたけは、まろやかで食べやすくとってもジューシー。しいたけの登録菌種はなんと200種類あり、菌によって味が異なりますが、齋藤さんが実際に食べてみて美味しいと思った菌のみを厳選しているそう。季節ごとに適した菌種に変えるため、収穫は1年中可能です。

「佐倉きのこ園」のしいたけが美味しいのは、厳選された菌、自然の森林に近い栽培環境に加えて、「水」のおかげでもあるのだとか。菌床の寿命は約4ヶ月で、その間に3〜4回ほどしいたけが生えます。1回生え終わったらブロックごと冷たい水に一晩浸して水分補給をし、そのあと常温に戻すことで温度差が刺激になり次のしいたけが生えてくるという仕組みです。「佐倉きのこ園」で使用している水は、地下50メートルから汲み上げた美味しい天然水。きのこは約9割が水分でできているので、浸す水の善し悪しが味に大きな影響を与えるというわけです。

そもそも、しいたけ嫌いだった齋藤さんは、なぜサラリーマンを辞めてきのこ園を始めたのでしょうか。開園のエピソードをお聞きしてみました。

齋藤「私の家は先祖代々農家で、私も昔から農作業を手伝っていたんですが、うちでつくっていた農作物の中でいちばん嫌いだったのがしいたけ。農家を継ぐつもりはなかったので、30歳前までは不動産会社で営業をしていました。ただ、父の経営していた工場の跡地をどうするかという問題が出てきたときに、たまたま新聞でしいたけ栽培の記事を見つけまして。試しにいろんな農園に行って、嫌いながらもしいたけを食べ比べてみたんです。

そこで出会ったのが、千葉県のある農園が育てていたしいたけ。今までの概念を覆すくらい美味しくて、しいたけ好きの両親にも食べさせたら『これはうまい!』と。この菌を使ったしいたけならみなさんに喜んでもらえるのではと思って、30歳のときにきのこ園を始めました」

持ち前のチャレンジ精神で、卸し先すらも開拓しないまましいたけ栽培を始めた齋藤さん。すると予想以上の反響があり、2年目に2棟目のハウスを建設、4年経つ頃には生産設備は現在の形まで完成していたと言います。ところが、予期せぬ不運が齋藤さんを襲いました。

齋藤「菌メーカーが倒産してしまったんです。新たな菌を必死に探しまわりましたが、私の口に合うものはほとんどありませんでした。そんな中、倒産したメーカーの仕込み責任者の方が他社に転職して菌を開発し、私のところに取引の相談に来てくれて。栽培して食べてみたら『まさにこれ!』という味わいで、そのおかげで『佐倉きのこ園』は難を逃れることができました。

現在はそのメーカーの菌を数種類と、冬季限定の極厚しいたけの菌を栽培。私と次期代表の息子を筆頭に、20人でこの園を運営しています」

無農薬と天然水にこだわり、スタッフ20名で手間暇かけて大切に栽培している「佐倉きのこ園」のしいたけ。評判を聞きつけ佐倉市外から訪れるお客さまも多く、もっとも賑わうのは春と秋だそうです。佐倉市内の学校給食やスーパー、首都圏のレストランなど、卸し先もさまざま。ファンの多さがうかがえます。

しいたけ狩りのあとは、園内のガーデンでバーベキュー!

20年前、ハウスを見学したお客さまの声をきっかけにオープンしたというバーベキューガーデン。天候に左右されない屋根つきで、バーベキューコンロをはじめ必要な器材や食材はレンタル・購入できるので手ぶらでOKです。

しいたけは、軸の先端の硬いところを包丁で取り除き、軸を根元からカットして縦に二等分します。カサも軸も全部美味しくいただけるとのこと。カサはひだの面を上にして焼き、5分ほど経って旨み成分の汁がにじみ出てきたら食べごろ。軸も焦げないように注意しながら焼き、塩を軽く振っていただきます。

遠赤外線の炭火で焼き、シンプルに塩だけでいただく。これが齋藤さんのイチオシの食べ方。ほおばった瞬間に汁があふれ出し、しいたけのまろやかな香りが鼻から抜けてまさに絶品! 自宅ではフライパンで焼いてもいいそうです。

他にも、肉や野菜などさまざまな食材が揃っていますが、おすすめは「無添加椎茸ソーセージ」。香取市の養豚場とのコラボで生まれた、バーベキューガーデンを始めた当初からの人気商品です。防腐剤などは不使用の完全無添加で、ジューシーなポークの中にしいたけの旨みと食感が楽しめます。

園の入り口には直売所があり、しいたけや自家製野菜、しいたけ加工品を購入することも可能。ソーセージはもちろん、佃煮やしいたけ茶などさまざまな商品が揃っています。

大嫌いだったしいたけを今では毎日食べているという齋藤さん。「しいたけ嫌いの子どもに『佐倉きのこ園』のしいたけを食べさせたら大好きになりました」「夫がここのしいたけだけは食べるんです」というお客さまの声も多いそう。こだわりのしいたけを自分の手で採って、青空の下でいただけば、きっとその美味しさに驚くこと間違いなしです!

佐倉きのこ園
〒285-0808 千葉県佐倉市太田2395番地
TEL : 043-486-3987  /  FAX : 043-486-3808 / E-mail : info@kinokoen.jp
HP : https://www.kinokoen.jp

<アクセス>
佐倉ICより車で5分
JR総武本線・成田線 佐倉駅よりバス・タクシーで10分京成佐倉駅よりバスで20分、タクシーで15分

<営業時間>
8:00〜16:00 ※月曜日は定休(月曜が祝日の場合は翌日休み)

<料金>
■しいたけ狩り入園無料
収穫分を100gあたり220円(税別)で精算
※冬季限定・極厚品種しいたけ狩りは、100gあたり300円(税別)で精算

■バーベキューガーデン
料金など詳細はHPをご覧ください