自然の中で自ら学び、自ら成長する!「認定こども園 吉見光の子モンテッソーリ子どもの家」とは?更新日:2018年06月29日

佐倉市で最初の認定こども園となった「吉見光の子モンテッソーリ子どもの家」。ここで行われている「モンテッソーリ教育」は近年、IT企業経営者やプロ棋士の活躍で話題になっています。理事長・園長また牧師である長島成幸さん、副園長の長島三枝さん(国際モンテッソーリ協会認定教師)にお話を伺いました。

自然の中で子どもに遊び方を考えさせ、独創性を引き出す

Q 「吉見光の子モンテッソーリ子どもの家」ってどんなところ?

 

「吉見光の子モンテッソーリ子どもの家」は、教育と保育を一体で行う認定こども園。「子ども一人ひとりが持つ内なる力を見守り、援助する」というモンテッソーリ教育を行う幼稚園では、国際資格を持つモンテッソーリ教師が3名在籍しており、「吉見光の子保育園」の子どもたちも、希望制でモンテッソーリ教育を受けることができます。

開園は2013年のこと。それまでユーカリが丘で30年以上前からモンテッソーリ教育の保育園を運営してきたのですが、佐倉市吉見にあった、今の土地と出会い一目惚れ。園の庭から裏山に登れるようになっており、子どもたちが山の中を自由に走り回れる環境があったのです。「こんなところで園を作りたかった」とすぐに開園準備を始めました。現在、保育園と子どもの家を合わせて約90人の子どもたちが日々元気に走り回っています。

 

 

モンテッソーリ教育とは、「子どもは自らを成長・発達させる力を持って生まれてくる」というイタリアの女医マリア・モンテッソーリによって1906年に紹介されたものです。大人が子どもに教える、従わせるということは一切せず、自分の意思を持った子どもたちが好きなことを自分で選べるように、「世界を広げるためのお手伝いをする」のです。

モンテッソーリ教育では、自分がやりたいことを選び集中してそれに向かうことを、「遊び」ではなく「お仕事」と呼びます。大人が仕事を通して自分を見つめていくように、子どもたちも「お仕事」をすることで、五感を通じて外の世界と自分を結びつけ、自我を作っていきます。

「子どもの家」ではさまざまな「教材」(積み木やおままごと道具といった“遊具”に似ていますが、木や布など本物の素材を使用し、モンテッソーリ教育に基づき体系的に設計された教材)を自分で選んで使う自由時間があります。園を見学に来た親御さんは、「自由時間なのに、みんなじっと集中して静かなんですね」と驚かれます。子どもの自由時間といえば、大騒ぎして走り回るもの、とイメージしていらっしゃる方も多いのですが、子どもが自らやりたいことを選んでいれば目の前のことに夢中になるものです。「教材」には針やはさみもありますが、危険だからと回避するのではなく、安全に使う方法をきちんと指導することで、3~4歳でも手芸ができるようになる子もいます。

「子どもの家」の庭は、裏山とつながっています。竹やぶの間の急な斜面も自由に登れるので、初めて見た親御さんから「ケガしないのか」と質問されることも…。でも、子どもたちには、生まれ持った“危険を回避する力”があります。どんな場所でどう振る舞うとケガをするのかを子どもたちが自ら経験することで、その力が研ぎ澄まされていくのです。実際、裏山で大きなケガをした子は今まで一人もおらず、「あの道をこう歩いたら、擦り傷ができちゃった」などと小さなケガと隣り合わせにいながら、自ら学んでいます。

 

 

Q どんな子どもが通っているの?

 

佐倉市を中心に、近隣の市から車で通園している子どももいます。当園の特徴は「通園バス」がないこと。あえてバスを出していないのは、親御さんに子どもたちが日々どんな場所で、どんな様子で過ごしているのかを見てもらいたい、園のスタッフと家や園での生活のコミュニケーションを大事にしてほしいと思っているからです。

「子どもの家」でモンテッソーリ教育を受けている子どもたちは約25名(少人数制)。3~5歳児が混合した“縦割りクラス”により、異年齢の交流を深めます。発達のはやい、遅い、障害が有っても、それは個性として受け止め、みんながお互いの意思や主張を尊重しながら時間を共有しています。

Q 佐倉市の魅力とは?

見渡す限り田畑が広がる農村地域がある一方、約1時間で都心に出られるという、ちょうどいい場所にありますよね。大きな公園など、子どもたちがのびのび過ごせる場所がたくさんあります。

こども園を通じて多くの子どもたちに出会ってきて感じるのは、子どもたちが根源的に持つ魅力の素晴らしさにあると思います。現にこの園では人工的に作られた遊具がなくても、目の前にある自然を使って自ら遊び方を考えていきます。その独創性を引き出す、緑あふれる環境があることは、教育、保育にとって、とても大事なことだと思います。こうした環境で遊ぶ子どもたちは、素晴らしく魅力的です。

 

Q 今後の展開とは?

 

「光の子モンテッソーリ子どもの家」では、無農薬無化学肥料による有機野菜を中心にした安心安全な給食を提供しています。2017年から直営農場「グレイスファーム」を設立しました。他方、地元農家10数軒の方と提携して給食食材を提供してくださっています。提携農家は有機の栽培記録やセシュウム1ベクレル以下の測定など丁寧に野菜を作ってくれています。

2015年から野菜のみならず調味料から加工食品等全給食食材をオーガニック食材にして食べてもらうことで、給食費はどうしても上がってしまいます。しかし、無農薬有機だからこそ、それまで捨てていた皮や葉の部分なども活用してメニューを考えることができます。栄養士さんと頭を悩ませながら、素材を丸ごと食べることで金額を抑える工夫を進め、食を通して子どもたちの命を守るために、これからも食材にはこだわり抜いていきます。

今後は農業にもますます力を入れ、2020年には「有機JAS認定事業者」となることが目標。佐倉市内の保育園給食にも普及していくことを検討中。また給食以外にも販売できるようにすることで、量を多く安定的に作れるようになると思っています。

 

社会福祉法人 恵泉福祉会
認定こども園 吉見光の子モンテッソーリ子どもの家

http://www.yoshimi-hikarinoko.ed.jp/