全国初!高校生と地元飲食店が協力しSDGsスイーツを開発 ~地域課題を解決する産・学・官連携SDGsプロジェクト~【前編】更新日:2021年12月01日

 佐倉市内の県立高校と東京都中野区の新渡戸文化学園の高校生が参加し、市内飲食店等と協力しながら、市の名産品や地元産の農産物を用いた7種類のSDGsオリジナルスイーツを開発しました。

 このスイーツは、千葉ジェッツふなばしのホーム開幕戦や開発協力店舗で販売され、また、2021年11月3日、プロジェクトに参加した高校生が、開発したスイーツに込めた想いや学習成果を発表しました。

 前編では、このプロジェクトを主催した「一般社団法人MIRAI-KOMINKA for school」代表理事 金子保夫氏に、産(民間企業)・学(学校)・官(行政)が連携してSDGsオリジナルスイーツを共同開発した全国初の試みについて伺います。【後編はコチラ

子どもによる、子どものための未来づくり

――どのような経緯で今回の企画を考えたのですか?

私が経営する会社で2020年7月1日にSDGs宣言を行ったのがきっかけです。SDGs(※)を掲げても行動に移せない企業にはならない、「行動するSDGs」の実践を社員に伝え、お客様や社員からの募金や事業利益の一部の寄付を決めました。

その寄付金をどう使うか、社員たちが様々な提案してくれたのですが、根底に共通していたのは、「世のため、人のため、自分のため、そして子孫のための未来づくり」というテーマでした。子どもが社会を学び、未来を築き上げる、子どものためのプロジェクトをやりたいと。

そういうわけで、一般社団法人MIRAI-KOMINKA for schoolを立ち上げ、子どもたちと1年1期の完結型プロジェクトを実施することにしました。1期目は150万円を同社団法人に寄付し、子どもたちと開発協力店舗が考える地域活性化を形にすることが決まりました。

(※)持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)のこと。2015年の国連サミットで採択された国際目標。教育や気候変動など取り組むべき17のゴール、169のターゲットから構成されている。

――今年は1期目にあたりますが、高校生と取り組んでいるプロジェクトについて、どのように進展しているか教えてください。

子どもたちと初めて集まったのが2021年4月後半。6月には、どういうプロジェクトにするかを語り合いました。

佐倉市役所の職員さんから佐倉市が抱える地域課題や農業の問題などを学び、そのなかから高校生が研究課題を見つけていきました。その課題解決のきっかけづくりとして、「未来(あす)へつなぐSAKURAスイーツ」をスローガンにSDGsオリジナルスイーツを開発することを決めました。大人たちは子どもたちに寄り添いながら関わり方を模索していきました。

新型コロナウイルス感染拡大で対面できないなどの局面もありましたが、それらを経て完成したSDGsオリジナルスイーツは、10月16日・17日に千葉ジェッツふなばしホーム開幕戦での即売会、11月3日にSDGs研究発表会及び即売会を行いました。開発協力店舗でも12月19日(日)まで販売しています。

高校生たちとは、モノを売るのではなく、コト(想い)を売ろうと話しています。想いを乗せたスイーツを、多くの方にご賞味いただきたいと思っています。

佐倉の地場産品を材料にしたSDGsオリジナルスイーツ

子どもたちとSDGs

――金子代表理事から見て、高校生のどのような姿が印象的ですか?

高校生は、最初こそ「何をやるのか」という雰囲気でした。知識としてSDGsを知っていても、スイーツと結びつくイメージはなかったようです。

SDGsの学習を進め、高校生のやわらかい頭脳で自発的にスイーツに結び付けてくれました。こういう子たちがいてくれて、未来は明るいですよね。

――子どもたちが主体となってSDGsを考える場とのことですが、来期はどのようなことを実施していきたいと考えていますか?

佐倉市だけでなく、隣の八千代市に住んでいる子どもたちとも活動したいですね。

今回参加した子どもたちの多くは佐倉市の高校に通っていますが、佐倉市外に住んでいる子も多い。街に接点がなかった彼らが、市職員や事業協力者の協力によって、佐倉市や地場産品の魅力と課題を知ることができました。

さらに、佐倉市の地域特性や現状の学びを通して、自分が住む地域の課題に気づいたそうです。その課題は千葉県、全国の課題でもあり、彼らが将来生きていく場所の課題でもある。そうやってSDGsの活動は地域的に広がっていくのだと感じました。

また、高校生だけでなく、小中学生ともつながっていきたいです。子どもとのつながりは、今後も強く発信していきたいですね。

令和3年11月3日に開催した高校生のSDGs研究発表会

地域のプレイヤーとの連携

――今回の企画では、民間企業と学校と行政が連携して、地域課題に向かっています。今後、様々なプレーヤーとともに、どのように本活動を展開していきたいとお考えですか?

この活動は一社だけではできません。他の企業が一緒に行動してくれることにより、地域活性化が担えるのだと実感しています。

「地域に活かされていることを知るために行動する」。

こういう理念の感染ならば、いくらでもパンデミックが起きたっていいですよね(笑)。この理念に賛同して参加してもらえる企業や団体なら、制限を設けません。全国に広がっていくといいですね。

――佐倉市をより魅力的なまちにするためには、ヒトやモノやイベントなど何が必要でしょうか?

地産地消、地域循環を重視することですね。例えば、長野県からモノを運んで消費するとなると、ガソリン代、二酸化炭素の排出が高まります。地元のモノを使えば、それらが削減できますよね。

地域循環を高めるためには、佐倉市が持つコネクションを地域企業につなげることが大事です。AとBをつなげると付加価値が生まれるように、佐倉市のコネクションをしっかりと掛け算をすれば、市の魅力が生まれます。これは良い活動だと思ったら支援にまわる、そんな柔軟性のある行政であってほしいですね。

多くの学生と協力事業者のつながりが生まれました。

【お問合わせ】
◆一般社団法人MIRAI-KOMINKA for school
所在地:千葉県八千代市大和田新田76番地46
電話:047-409-1551
◆ホームページ
https://www.miraikominka-forschool.com/

【サクラ・スイーツ・スタンプラリー】
高校生が開発に取り組んだ、7種類のSDGsオリジナルスイーツ7種類は、協力店舗で2021年12月19日(日)までお求めいただけます。
※スタンプラリーは終了しました。
SDGsスイーツ一覧】 ※《》内は協力店舗 
☆お芋のモンブラン「モンラック」《入母屋珈琲》
☆SAKURAティラミソ《入母屋珈琲》
☆Ochaティラミス《オリベート》
☆ベジフルサンドキューブ《オリベート》
☆さくらグリーンティーシュークリーム《貝殻亭》
☆Fairtrade Chocolate「麗しのマチュエル」《貝殻亭》
☆大和芋と米粉のワッフルベリーパッフェ《カフェシュクル》