突撃!!!大学生インターンが佐倉市副市長にインタビュー更新日:2021年08月13日


(左:関 右:森田)

今回、私たち佐倉市在住の大学生インターン2名が佐倉市副市長 染井健夫さんにインタビューをさせていただきました!
副市長の仕事、というのはいったいどういったものであるのか、あまりイメージのない方もいらっしゃると思います。
このインタビューで全てがわかる!?というわけではないかもしれませんが、貴重なお話をたくさん聞かせていただきました。

※インターン:インターンシップの略語。学生が企業や団体で実習や研修的なプログラムをもとに就業体験をする制度のこと。

■副市長になったきっかけは?


(佐倉市副市長 染井 健夫さん)

_______千葉県の職員から、佐倉市の副市長になると決めたきっかけ、理由はなんでしたか。

今、図書館を作っている場所に、印旛地域振興事務所の前身である印旛支庁というところがあり、初任から3年間勤務していました。
その縁か、西田市長が佐倉市の市長になったのちに、副市長にならないか、という話をいただきました。初任地であった佐倉市への懐かしさや佐倉は今どうなっているのだろうか、という思いがあり、その場で副市長になることを決めました。

___ありがとうございます。佐倉市への懐かしさが決め手だったのですね。

■知られざる副市長の仕事とは?

_______副市長の業務は、市長の補佐や職員の事務を監督するなどがあると聞きますが、佐倉市においては具体的にはどのような業務がありますか。

佐倉市は市長が変わりましたが、「新しい市長の考え方を職員に伝える」というのは一つの大切な業務であると思っています。首長と職員の間をつなぎ、首長の考えを実務に移せるようにすることが重要です。

___佐倉市副市長として、力を入れているものはなんでしょうか。

市長というのはある意味、「理想を語る人」なんです。一方、1000人以上いる職員は、市長のその理想を具体的な形にするのが仕事です。
そのためには、市長が掲げる「オール佐倉」の精神にもあるように、決して縦割りになってはいけません。医療、福祉、とさまざまな部署がありますが、決してばらばらになってはいけません。
働いている人たちが横断的に意思統一できるように、「横串を刺す」のが副市長の役割だと考え、いつも気を付けています。
また、県庁職員の経験を活かし、県の情報を収集し、佐倉市の役に立つ情報を発信することも、副市長としての仕事だと考えています。

___ありがとうございます。副市長は市長と職員を結ぶことが大切な仕事である、ということがよくわかりました。

■副市長が考える佐倉市の魅力とは?

___佐倉市の副市長であり、市外在住者でもある立場から見た、佐倉市の魅力とはなんでしょうか。

私は仕事で千葉から印旛沼に訪れ、空が広い、と感じました。私は今、千葉市の中央区から通っていますが、佐倉市というのは昔から、程よく田舎、ですよね。
悪い意味ではなく、自然が豊かでありながら、東京へも電車一本で行ける。都市との交通もいいが、自然が豊か、というのは非常に住みやすい場所です。それは非常に大きな佐倉のアドバンテージだと思います。
三十年前に仕事で訪れてから、また佐倉に来ましたが、印旛沼を中心として、残すべきものは残し、改善していくべきところは変えていく、ということができており、いい発展をしているように感じました。

___佐倉市と他の市を比べて、自慢できると思うことはなんでしょうか。

先ほどの点と同じです。東京に行きやすいけれども、自然が多い。
コロナウィルスの影響で、リモートでの仕事が増えることもあると思います。そして、会議などで仕事に行く場合以外、出社することもなくなるかもしれません。
その場合、佐倉の交通機関の使い勝手のよさや自然が多く過ごしやすい環境は、デジタル環境を上手く取り入れられるのであれば、「選ばれるまち」になれるのではないか、と思っています。

___市のいいところは、県や国と比べてどんなところでしょうか。また、市政はどういう方向に向かっていってほしいですか。

市のいいところは、直接市民と関わることが多いため、一つ一つの仕事に責任感を持っている職員が多いことです。
例えば、部長職に就いていたとしても、「これは私の仕事ではない」と言わず、避難所など現場に出ることもあります。
県や国は直接市民と接することがなく、他の省庁や部署と関わることがないため、現場での仕事がどういったものなのか、ということを想像する必要がありますが、一丸となって同じ仕事に取り組める、というのは市の強みです。
一方で、市は、もっとアンテナを広げてもよい、と思います。市の仕事は市の中で完結できてしまい、世の中のなにが自分の仕事に関わってくるのか、ということに目を向けなくなりがちです。
ですから、佐倉市内外にアンテナを広く、高く掲げ、色々な分野の情報を知ることが必要なのです。

___ありがとうございます。佐倉は自然が多いですか、交通の便がとてもよい、というのは私も感じているところです。個人的にも、佐倉市が「選ばれるまち」であってほしいと思います。

■具体的な政策に迫ります!

____佐倉市では少子高齢化が問題になっていますが、その進行を止めるための転入者を増やす策について考えをお聞かせください。

これは市長も気をもんでいる問題であって、転入者を増やすことと同時に転出者を減らさなければいけません。入ってまた出ていってしまうと、プラス・マイナスゼロになってしまうから両方考えなければなりません。
ただ、転入者を増やすうえで一つは、さっき話したように、これから仕事の形が変わっていくうえで、将来的な仕事のやり方を見すえたまちを作ることが一つだと思います。
それと、様々な年代の人がいる中で、ライフステージにあったニーズをちゃんととらえたまちを作ることもそうです。
例えば、若い世代であれば保育所があることや、子どもを安心して外に出すことができる道路を作ること。
免許を返納したお年寄りであれば、安心してバスや電車などの交通機関が利用できるような、インフラを整備することなど。
様々な世代のニーズをとらえたまちづくりをすることが大事なことだと思います。

_____転入者を増やすうえで子どもの人数を増やすことは大きく関連すると思います。子どもが住みやすいまちを作るために、佐倉市がするべきことについて考えをお聞かせください。

これは難しい話だと思います。現に子どもができたら給付金を支給するなどの政策を実施する自治体も多いですが、それでは効果は一時的だと思います。
佐倉で子どもを生んで育ててくれ、さらに定住してもらわなければいけないので、そのために、その時の経済的不安を解消することはもちろん重要ですが、その後に安心して受けられる教育の環境や交通安全、あるいは、もっと年をとっていったら佐倉市に雇用の場があること、佐倉で就職するなどの様々な年齢のステージに合ったものが整っているまちを作っていかなければいけないと思います。
これは単に子ども関連の仕事を担当している部局だけで考えればいいというわけでなく、組織の壁を取り払い、各部局の職員は、あらゆることが自分たちの仕事にどう関わってくるかということを常に意識しながら業務に就く必要があると思います。

_____ありがとうございます!佐倉市はどの世代も安心して暮らせるようにして、定住者を増やすために組織的に考えていかなければいけないということですね。

■私たちのような若者へ!

____私たちのような若い人へのアドバイスはありますか?

将来、お金は稼げても時間は稼げません。若いときは興味があることはなんでもやっておいたほうがいいと思います。それこそ親に借金してでも経験したほうがいい、くらいのことがたくさんありますよ(笑)

____具体的にはなにかやったほうがいいことはありますか?

それは人それぞれだと思います。最低限のことを守れば、やってはいけないこと、やらなければならないことに決まりはないと思います。

____公務員として進むとしたら、どんな道を進んだほうがいいでしょうか?

型破りな公務員も出てきて話題になっていますが、公務員で大事なことは組織力だと思います。
公務員の仕事は、だれかひとりがどんなに飛びぬけた交渉能力を持っていたとしても、その人だけでは完結しません。一番求められる能力は、チームとして一緒に仕事をしたい人柄かどうかだと思います。

____ありがとうございます。今のうちに経験を積み、チームに求められる存在になれるよう、日々努力していきたいと思います。

■佐倉市の今後の展開は?

____佐倉市副市長が思い描く佐倉市の10年後について教えてください。

1つは、コロナの時代の中で、仕事の在り方がすごく変わっていくでしょうし、また、変わらなければいけないと思います。その点の期待値を込め、デジタル化を先取りすれば、佐倉に働き盛りの人が来てくれると考えています。
また、大事なのはコミュニティだと思います。子どもを安心して学校に送り出せることや、治安なども含めて地域社会が自立し、デジタル化を取り入れたまち。変化するところは変化して大事なコミュニティは残っているようなまちになってほしいと思います。

___千葉市民の視点から佐倉は暮らしたいまちでしょうか。佐倉市の10年後はどういったものでしょうか

1人暮らしであれば移住したかもしれません。
佐倉市は電車が通っている場所は交通の便がよく、開発されているのですが、そうでないところもあります。千葉市寄りの方は昔のままの場所があったりもしますし、地域によって住みやすさの差があるように感じます。
それは反対に、佐倉には自然が多い、ということでもあります。交通の便がよく自然がないことと、自然豊かで交通の便があまりよくないこと、どちらがいいというわけではないのですが、今ある自然を残しつつ、開発していない場所は開発していく必要があります。10年後の佐倉の発展にも、バランスが大切、ということです。

____最後の質問ですが、佐倉市民になにか伝えたいことはありますか?

市政の主人公は市民の皆様だということです。
市民の皆様に選ばれた市長がいろいろ考え、市役所の職員が具体化したとしても、最終的には市民の皆様が主体的に取り組まないとまちづくりはうまくいかないと思います。
こんな時代なので、一人一人の市民の皆様に自分たちが市政の主役だと深く認識していただければ、市役所のいい点や、悪い点をより指摘していただきながら、佐倉市長が掲げるような「オール佐倉」が達成できると考えています。

____ありがとうございます!市民一人一人が意識を持つということが大事ということですね。

■感想

関:今回、佐倉市在住のインターンとして佐倉市役所に伺い、佐倉副市長にインタビューをさせていただき、佐倉市民としての意識をより深く持ち、どんな形でもいいので佐倉市政に関われるようにしていきたいと思いました!

森田:普段は聞けないような、貴重なお話をたくさん聞かせていただきました。副市長のお仕事から市役所全体の仕事まで、ためになることばかりでした。これからは私たち市民の一人一人が市政の主役であるということを自覚して、積極的に参加していきたいと思います。

プロフィール

関:市内在住の大学3年生。
森田:市内在住の大学3年生。
染井 健夫さん:平成31年4月の西田市政のスタート後、令和元年10月、佐倉副市長に就任。元千葉県職員。千葉市在住。