「勝ってうれしい、負けても楽しい!?」みんなを笑顔にするゆるスポーツを佐倉市で学生が考えました更新日:2019年03月20日

「ベビーバスケ」「イモムシラグビー」「こたつホッケー」…思わずクスッと笑ってしまうこれらのスポーツは、近年テレビでも話題の『ゆるスポーツ』。その体験イベントを2019年2月28日に佐倉市で開催。同時にオリジナルのゆるスポーツを考えるワークショップも行なわれ、市内外の高校生・大学生らが体と頭をめいっぱい使って体験しました!

世界中が注目する『ゆるスポーツ』って?

そもそも『ゆるスポーツ』とは、「スポーツ弱者を、世界からなくす」というコンセプトのもと、佐倉高校出身の萩原拓也さんが中心となって考案。「ベビーバスケ」「イモムシラグビー」「トントンボイス相撲」「ハンぎょボール」「こたつホッケー」など、年齢・性別・運動神経に関わらず、誰もが楽しめる新感覚のスポーツです。2015年にコピーライターの澤田智洋さんとともに『世界ゆるスポーツ協会』を設立し、わずか3年足らずでテレビをはじめとする100以上のメディアに紹介されたり、海外でも取り上げられたりと、いま世界中で話題になっています。

一般社団法人世界ゆるスポーツ協会 理事・事務局長を務める萩原拓也さん。1983年千葉県生まれ、佐倉高校卒。明治大学政治経済学部を卒業後、ITエンジニア・コンサルタントなどを経て、2015年に『世界ゆるスポーツ協会』を設立

今回の体験イベントでは、生みの親である萩原拓也さんも参加。ゆるスポーツを体験・創作する前に、「佐倉で才能が開花する」という佐倉市のシティプロモーションコンセプトに掛け合わせ、自分の才能を見出すにはどうしたらいいのか、どうやったら才能が開花するのか、学生なら一度は直面するであろう悩みについて、実体験をもとに学生に熱く語りかけました。

才能とは、オリジナリティである

小学生の頃は友だちと仲良く出来ず、高校生になると変なやつと言われ、社会人になると仕事をさぼってばかりいると叱られ、「これまでこれと言って輝いたときはないし、僕は圧倒的な才能があるわけじゃない」と過去を振り返る萩原さん。

でも、今回登壇するにあたり、「自分は才能があるということにしないといけない(笑)」と一般的に才能がある人は誰かと考えてみたそうです。その結果、世界を代表するサッカー選手のリオネル・メッシや、天才と呼ばれた画家のパブロ・ピカソ、数多くのヒット曲をもつ歌手のレディー・ガガの存在が頭に浮かんだと言います。

萩原「でも、僕はメッシほどサッカーが上手くないし、ピカソみたいなぶっ飛んだ絵が描けるわけじゃないし、レディー・ガガほど歌も上手くない。でも、この3人と僕の共通点を探してみたら、「仕事を楽しんでいる」ということなんじゃないかと気づきました。そう考えると、「才能がある人=仕事を楽しんでいる人」と定義づける事ができるのではないかな」

「とは言え、自分の強みがなければ仕事を楽しむことや楽しい仕事をすることはできません」萩原さんは続けます。

萩原さんの分かりやすいたとえ話にうなずきながら、真剣に聞き入る学生たち

「メッシやピカソ、レディ・ガガみたいに誰もがなれるとは思いません。彼らは圧倒的な強みがあるからこそ自分の好きなことを仕事にできて、楽しむことが出来る。でも、メッシの1/5サッカーが上手くて、ピカソの1/10絵が上手くて、レディー・ガガの1/4歌が上手くて、ケーキ作りとジャグリングが趣味の美味しいお米を作る農家になったとしたら、これはもう誰にも真似できないオリジナリティ。そうなったらそれは自分の強みになりますよね?強みがあれば、自分がやりたいことを仕事に出来る。色々なものを組み合わせていったら、新しいものができる。だから、才能があるということはオリジナリティを持っていることだと言えるんじゃないかな」

何かひとつのことで勝負して叶わなかったとしても、何かと何かを組み合わせることで、まったく新しいもの、おもしろいものが生まれると語る萩原さん。このような考えはスポーツと様々なものを組み合わせて新しいものをクリエイションするゆるスポーツにも通じると言います。

 

ドリブルしちゃダメ?「ベビーバスケ」をやってみよう!

ということで、そんなスポーツクリエーター集団が考えたゆるスポーツの一種目、「ベビーバスケ」を体験してみることに。

「ベビーバスケ」は、激しく動かすと大声で泣き出してしまう特殊なボールを使ったバスケットボールのこと。そう、ボール=赤ちゃんなのです。となれば、叩いたり、勢いよく投げたり、ドリブルなんてこともできません。泣かせないように、そっとパスして、そっとキャッチ。プレイヤーの母性が試される、世界一ゆるいバスケットボールです。

最初は泣いてしまう“赤ちゃんボール”に戸惑い気味だった学生たちも、一度コツをつかんでしまえばなんのその。「こっちこっち!」「パスいくよ!」「ナイスショット~!」と声を掛け合いながらリズムよくパスをつなげ、ゲームを展開。次第に運動量も熱量もヒートアップしてきます。

体験後、「ルールは似ていても違うスポーツ。普通のバスケより大変だった。でも新鮮で楽しかった」、「仲間とパスをまわしていかないと点を取れないところがおもしろかった」といった声が。

そして最初の緊張の面持ちはどこへやら、学生たちの間にはなごやかなムードが醸成されていました。きっとこれもゆるスポーツパワー?でしょう!

オリジナルの『ゆるスポーツ』を考えてみよう!

「ベビーバスケ」を体験したあとは、実際に世界にひとつだけのオリジナルゆるスポーツを考えるワークショップがスタート。チームを組んで、意見やアイデアを出し合い、ひとつのゆるスポーツを考案します。

お題は、2020年東京五輪でアメリカ陸上チームが佐倉市に来ることから、「アメリカ人選手やファンたちと一緒にできるスポーツ」。さて、いったいどんなゆるスポーツが誕生するのでしょう?

アイデアは出てきても、なかなかそれをスポーツとして組み立てるのに苦戦中の様子。そこで萩原さん、ゆるスポーツを立案するうえでの大切なポイントをレクチャー。いくつかアプローチ方法はありますが、まずはネーミングや見た目から考えてみるといいそう。

萩原「名前がおもしろかったり、見た目がおもしろかったりするのがとても重要です。ベビーバスケって聞いたら、「何それ?」って聞きますよね。たとえば、アメリカだから「ホットドッグ」と「野球」を組み合わせて、“ホットドッグ野球”とか、ネーミングを考えてから掘り下げていくと、ゆるスポーツらしいユニークな内容が思いつくかもしれませんね」

ほかにも今あるスポーツから考えたり、近くにある用具(たとえばイスやテーブルなど)から考えたり、ターゲットから考えたり。企画立案へのアプローチ方法はいろいろあるそう

 

活発に意見を交換している姿がとても印象的でした

新種目なるか? みんなが考えた『ゆるスポーツ』を発表!

さて、60分という短い時間のなかで、各チームが考えたオリジナルゆるスポーツをお披露目してもらいました。

まずAチームが考えたのは、「ピザごっこ~TAG PIZZA~」。アメリカというワードから連想したピザと、親しみのある鬼ごっこを組み合わせたそう。遊び方は、2チームに分かれ、ホールピザに見立てた円のなかを鬼ごっこのようにして走り回るというものですが、一番のおもしろポイントは、シェフ、トマト、チーズ役がいること。各チームのシェフがトマト役、チーズ役の人を捕まえることで、多くのピザを完成させた方が勝ちというルールを作り上げました。

続いてBチームが考えたのは、「米だ輪RUN(こめだわらん)」。米俵を担いで走り、運び終わった順位を競います。佐倉市に武家屋敷や城下町というイメージがあったことから、ちょんまげを連想。そして輪っかをたすきに見立て、次の人とバトンタッチするときに、お辞儀をしてちょんまげからちょんまげへと輪っかを移動させるというルールを考案。ちょんまげ×お辞儀という、日本文化を感じさせるユニークさを盛り込んでいます。

そしてCチームは、「ハンバーガーラグビー」と命名したスポーツを考案。守備と攻撃に分かれ、攻撃はバンズ係、パテ係といったように、ハンバーガーの材料を1人1つ持った状態でゲームスタート。まずは材料を集めてハンバーガーという名のボールを作り、点を取りに行くという内容です。もちろん、ラグビーのルールを応用し、材料とボールは後ろにしか投げられません。Cチームはアメリカからハンバーガーを連想し、そこからスポーツを組み立てていきました。

今回は短い時間のなかでの制作だったこともあり、まだまだ課題の残るものとなりましたが、三者三様、個性豊かな3つのゆるスポーツが産声を上げました。

今後、数回のワークショップを継続し、佐倉市オリジナルのゆるスポーツに磨き上げていきます。

やるのは簡単、でも考えるのは難しい

今回のイベントでは、ゆるスポーツをやってみるところから実際に作ってみるところまでを体験しましたが、参加した学生からは「やるのは簡単だったけど、自分が考える立場になってみるととても難しかった」、「みんなの意見をまとめるのは大変だったけど、それが形になったときには達成感があった」、「今日は女性と男性、子どもと大人が公平に楽しめるスポーツを考えたけれど、スポーツに限らず平等に暮らせる世の中になればいいなと思った」といった感想が挙がりました。

萩原さんは今回の活動を通して、「興味があること、おもしろいと思ったことはどんどん体験してほしい。もしかしたら今は意味がないかもしれないし、こんなことをしてもしょうがないと思うかもしれない。でも、意味はその後つければいい。先のことを考えなくてもいいから、とにかく今を楽しく。色々吸収して変わっていく自分そのものを楽しんでいくことを大切にしていってほしいと思います」と語り、これから社会に出て新しい時代を作っていく学生たちに熱いエールを送りました。

世界ゆるスポーツ協会

https://yurusports.com/sports/babybasket